踊り続けよう煌めく世界

しがないダンス経験者がTravisJapanにハマった話。

TravisJapanが踊る「Monster/嵐」の魅力 +81 DANCE STUDIOより

+81 DANCE STUDIOのおかげで毎週楽しみな土曜日。

12/18にはシブがき隊の「トラ!トラ!トラ!」が上がり、12/20にはのえ🤍ちゃか❤️うみ💚のShortsが上がりました。

三者三様の素敵なダンスに心を打たれ、3人それぞれの良さを言語化したくなりました。

そこで、3人の踊りがどのように違うのか、をまずは身をもって体験・体感しようと思い、のえるくん🤍のShortsをコピーしました。

 

ここまでは非常に順調であった。

 

しかし、年末は何故か、イレギュラーがつきものである。(めっちゃ私事なので割愛します)

そんなわけで、❤️Wカイト💚のShortsもコピーしたいのですが、年内はもう時間がなくなってしまいました。言語化だけしようと思えばできる気もするんだけど、トラ!トラ!トラ!はどうしても踊りたいので、また今度ゆっくり語りたいと思います。

 

…そんなこんなで、けっこうスケジュールもメンタルもやられていましたが、クリスマス🎄は普通にやってきました。そして、そんなクリスマス🎄に更新されたのが嵐の「Monster」でした。Monsterならストリートダンスかな、なんて思いながら、軽い気持ちで動画を開いたら、なぜか裸足で「あれ?!」となり、見始めたらガンガンにフロアで踊る7人がいて、テクニックもスキルも必要なコンテのようなジャズのようなダンスでした。この手のダンスは、すごいことを簡単にしているように魅せるダンスなので、本当のすごさが伝わりにくいんだよね。なんでこんなすごいものをクリスマス🎄に、もう2021年も残りわずかなこのタイミングで出してきたのか、のえる黒髪だしけっこう前に撮ったのではないか、トラジャはこの手のダンスもイケてしまうのか、、、といろんな感情が一気にやってきました。あぁ、落ち着かない…そこで悟りました。

これは「すごかった」の一言でまとめてはいけない。言語化した方が良さそうだ。

というわけで、今回は+81 DANCE STUDIOより、12/25更新のMonsterについて語ります。(ここまでで既に800字に近い、前置き長すぎ問題)

 

動画はこちら💁‍♀️

youtu.be

 

⚠️私の経験から出てきた「個人的見解」なので、これが100%正解ではありません。加えて、「これは違くない?」ということがあれば、ブログのコメント欄やTwitterのリプ欄でぜひ教えていただけますと幸いです。このブログは、動画を見ながら読んでいくのがオススメです。あと、めちゃくちゃ自分語り多いです。よろしくお願いいたします🤲

 

 

 

① Monsterの踊りはコンテなのか?ジャズなのか?それともどちらでもないのか?

私はモダンバレエというものを長年やってきて、大学でもダンスの歴史とか細かいジャンル分けについて学んできたけど、未だに「モダンバレエってどんなダンス?」と聞かれたときに、上手く答えることができないし、そもそも私が踊ってきたものは本当にモダンバレエなのか怪しいと思ったりもするし、なんならなんでもいいやと考えている。確かに、クラシックバレエではなかったし、ヒップホップでもなかった、モダンバレエらしきものを踊ってきたことに変わりない。(本当にモダン・コンテ・ジャズ・学校の創作ダンスあたりはジャンル分けが難しい)なので、私がやってきたことはダンス、内的なものを外的なものにすること、体で表現すること、で最近落ち着きつつあります。

ということを踏まえて(またもや前置きが長かった)、Monsterもコンテでもジャズでもどっちでも良いと考えます。今回の振り付けは永井直也さんでして、彼は男子新体操出身の方です。実は男子新体操の隠れファンだった私は、直也さんの新体操選手時代の映像も見たことがあり、男子新体操といえばタンブリング(床やマットでの跳躍・回転、いわゆるロンダートバク転とかの連続技)と手具操作(団体は手具がない、たぶん個人だけ)なんですが、まじでどちらもすごいです。でも、直也さんの体操演技にはダンスらしさがめちゃくちゃ散りばめられていて、私がイメージしてきた男子新体操はシルク・ド・ソレイユだったから、新鮮だなぁと思っていました。そうしたら、やはりダンス界隈にもどんどん進出されてきて、やはりフロアの動きは圧倒的だし、新体操で培われた身体能力で技をどんどん踊りに組み込んでいくので、ああ、ダンス育ちだけじゃ敵わないな…みたいな気持ちにもなったりしてました。ちなみに、最近はバトントワラーたちもダンス界隈に進出してきてるので、もう踊ってるだけではダメなのかとたまに悲しくなります。…って気づいたら脱線してるけど、ジャンルについては、直也さんがコンテと言えばコンテだし、ジャズだと言えばジャズだし、どちらも違うと言えば違うものなんだと思う。とにもかくにも、早く直也さんver.のMonsterの動画をください。

何が言いたいか、というと…ダンスでジャンル分けはそんなに大事じゃないんじゃないかな、ということです。多様化の時代、仲良くいきましょう。伝えたいことを体で表現する、ができればオッケーです。トラジャもそれで良いのでは…?

それでも、あえてジャンルを分けるなら、一つ一つの動きに感情を込める度合いの違いによって体の使い方や動き方に違いが生まれるのかな、という感じです。本当に説明が下手すぎて申し訳ない。もう少し頑張って説明すると、

・ジャズは曲の世界観に感情がドップリで踊りでのエネルギーの放出量が膨大、じわじわくる感じ、動きも「私を見て!」って感じ、難しい派手な技のようなすごい動きはすごそうに見える(当社比)

・モダンは感情表現もあるけど、見てる側はどちらかというと感情よりも情景を掻き立てられる雰囲気、「見たい人はどうぞ」的な感じでわからない人のことは考えずに話が進んでいくイメージ、学校の創作ダンスはわりとモダンだと思われるけどわかりやすい

・コンテはとにかく動きでつないでいく、感情表現よりも形での美しさ、表情は真顔でどちらかというと無機的、伝えるというよりは魅せるに近い、でもすごい動きを簡単そうにやってしまいすごさが伝わりにくい

…うん、頑張って語ってみたけど、やっぱりよくわからなかった(笑)しかも節々で言葉が悪い。ダンサーの皆さま、申し訳ありません。

 

 

 

②Monsterを踊る上でのポイント

Monsterを踊ってみよう!という勇者はあんまりいないと思うのですが…今の私には踊りたい気持ちもあるけど踊れない自信が勝るので、せめて踊るための前準備として、テクニック(技術)とスキル(技能)の両面から、踊るためのポイントを抑えていきたいと思います。テクニックとスキルの違いについて、私のイメージでは、「テクニックを完成させるのに必要なのがスキル」という感じです。ちなみに、トラジャはいとも簡単にさらっと踊りつないでおりますが、Monsterは鬼難しいと思います。ダンスもモンスターです。

※重ね重ね申し訳ないですが、あくまでも個人的見解です。それでも、①よりは参考になることがあるかと思われます。

 

 

1.テクニック

Monsterはなんと言っても技が多い。床に寝転ぶものもあれば、跳躍もあれば、体が逆さま(頭が下で足が上、ということ)になるものもある。おかげで、空間を前後左右上下に使いまくるので、ダイナミックな動きで溢れたユニゾンになっている。以下、時系列で肝となる技たちを追っていく。ちなみにダンス用語を適当にして生きてきたので、勝手に名付けてるものもあります。「あーこれをこう呼んでるのね」となるように、タイムはしっかり書いておきます。

 

0:24 膝カックンで床に入る

 これは技なのかと問われると違うんだけど、このあとのフロア祭りが始まるきっかけの動きなので、けっこう重要な役割を担っていると考えます。右足は上げたまま、左足だけで床に入っていくので、相当体を引き上げていないと左膝を強打する。体重および重心は床に向けて下がっていくのに、体は引き上げていなくてはならないということは、実は重心が下がらないのでは?と思ったりもするけど、こういう重心の矛盾がコンテやモダンでは頻繁に起こります。実際にこの矛盾を今まで自分の身を持ってやってきてるんだけど、説明はできません。なんだろうね、この独特な感覚は。とりあえず、クラシックバレエでは絶対にありえないことですよね。

 

0:30 床ジャン(軸は左手)

 床に片手をついてジャンプするので、床ジャンプ、通称「床ジャン」です。正しい名前があるなら、是非教えてください。ちなみに、カイトでも中盤に転がりからの床ジャン、トラ!トラ!トラ!でもラストの方で床ジャンが入っています。私のイメージでは、床から片手倒立をしながら捻りを加える感じ。重心移動が上手くいけば、片肩にキレイに乗れるので、足はフワッと上がって跳んでいるかのようになります。すごい人だと、滞空時間が長くなるので、先に蹴り上げた足(左手軸なら左足)の膝も伸ばせます。ちなみに私はフロアは得意な方だと思うけど、なぜか床ジャンだけは苦手なのと過去の失敗によるトラウマが拭えません。人によって足を蹴り上げる位置と着地点が異なるのは、重心移動が人それぞれだからではないかと考えます。モダンやコンテの床技の中で、取りかかりやすい技ではないかと。ただ床から立ち上がるだけではなく、技としての華やかさも生み出せるので、コスパが良いのではないかと。流行り期間が長い技ではないかと。最近は身体能力の高いダンサーが増えているので、私が床ジャンを始めたときよりも巧妙になってきていて、年々アレンジが加わり、難易度が高くなっている気がします。

 

0:32 ターン2連続(軸足は左)

 ダンスといえばターン。バレエ・モダン・コンテ・ジャズでは踵を上げた片足ターンが非常に多い。ちなみに私はベタ足(踵が床についている)のほうが得意でした。左足を軸にしてターンを2回繋いでいるけど、1回目は右肩を引いて回り、2回目は左肩を引いて回るので、回転の方向が逆になっており、2種類のターンを披露していることになる。ターンの得意不得意は、軸足よりも回転方向に現れる気がするので、右足軸で右肩を引いて回るのが得意ならば、左足が軸のときも右肩を引いた方が回りやすいのではないかと。なので、ここで2種類のターンを7人が披露していることが素晴らしい。踵を上げるターンは、できれば床を押して、軸足は踵を上げると同時に膝も伸びているのが理想。慣れない人は踵を上げて、体重を乗せてから膝を伸ばしてしまいがちで、これは回りやすいようで実は軸がブレやすい、と経験者は語っておきます。さらに言うと、1回目のターンは、床ジャンからの立ち上がりでせっかく左足が前・右足が後ろのポジションにあるので、軸になる左足の踏み直しをせずに、前の動きで位置したところにターンができるのは、軸の取り方が素晴らしい証拠になります。(まつくがやってて感動しました🧡)バレエ、モダンやコンテは、二度足と呼ばれる足の踏み直しが少ないほうが、踊りがキレイに、クリアに、上手に見えます。これは余談になるけど、連続ターンの後の低いポーズで、🤍のえちゃか❤️はお尻が下に入っていて感動した。他の5人は背中が真っ直ぐに近いので、お尻が重心に対して後ろに出ているし、位置が高い。やはり、🤍のえちゃか❤️はダンスの軸の取り方がダンサー顔負けです。

 

0:45 軽いフワッとジャンプ

 これも技と呼ぶほどのものではないのかもしれないけど、モダンやコンテではこういう「簡単に見えそうなサラッとフワッとジャンプ」が多様される。ちなみに、こういうジャンプほど地味に難しい。大技ではないけれど、足での床の踏み込みと体の引き上げのタイミングが合わなければ、体はフワッと浮いてくれないし、サラッとやり遂げることもできない。あと、跳んでおしまい!ではなく、着地までの流れが大切。フワッと跳んだ以上は、足音せずに着地したい。派手な技ができる人もすごいとは思うけど、こういう動きにダンスの基礎が詰まっているので、このような動きが上手な人がダンスの上手な人だと私は思います。

 

0:49 側転(左)

 ダンスで使われる側転は、体操のようにキレイな倒立でやってもいいし、形が崩れていても味が出て良い。ここでは、わりと速く側転しなくてはならない上に、前の動きで体の方向転換があるので、方向転換のところで両腕を素早く上げ回し、一気に床まで手を持っていくことで、足が蹴りやすくなると思う。側転は倒立になるわけだから、頭が下で足が上にいくから怖い気持ちも生まれやすいけど、体重を左手→右手→右足→左足に移していく、という感覚が掴めれば怖さが減る気がします。そうすれば足が真上に上がらなくても気にならないとも思われる。ちなみに、側転は利き手利き足がそれぞれあるはずなので、7人で同じ方向に回ったのはマジで偉いです。

 

0:53 イリュージョン(軸足は右で親指側に突っ込む)

 イリュージョンは2種類あって、軸足に対して親指側に突っ込むものと小指側に突っ込むものがあります。私はイリュージョンという言葉を知る以前、軸足に頭を突っ込みながら回ることから「突っ込みターン」と呼んでいました。私が初めてこの動きを見たのは小学2年生とかで、バレエ教室の2個上の新体操経験者のお姉さんがさらっと見せてくれたときにすごく感動した。この憧れの技に私も2年後挑戦することになり、気がつけば十八番になっていました。足を前後に180度開脚する柔軟性、頭を突っ込むイメージで軸足に一瞬で乗り切る感覚、上げる足は直線ではなく円を描くイメージなどなど、一瞬のうちにいろんなことを一気にやらなくてはなりません。これもまた、ターンの軸足・前後開脚の左右差により、得意不得意が出るはずなので、7人で同じ方向に回ったのはマジで偉いです。(2回目

 

0:55 軸足は右で左足を伸ばしながらターンしてそのまま床へ

 これも最初の膝カックンで床に入るのと同じで、重心に矛盾が生じていそうな動き。しかも、今回は踵上げ片足ターンから床に入らなくてはならない。たぶんメリットとしては、回転による遠心力で床に入りやすい。デメリット(なのかはよくわからないけど難しいところ)については、直也さんの本物を見てからきちんと言及したいところ。なぜなら、7人それぞれ床の入り方が違うからである。回転中に斜め下にキレイに伸びている左足を先に床につけて良いのか。しめ💖しず💛げん💙は先に右足がついている模様。左足はつけずに床に入るなら、のえるくん🤍のようにお尻の右側からつくのか。それとも、まつく🧡のように右足の前脛骨筋あたりからつくのか。ちなみに、うみんちゅ💚は足が逆になってしまったが、次の動きになんの支障もきたしてなくて素晴らしかった。ちゃかちゃん❤️はうまーく誤魔化していますね。膝カックンとは違い、膝から床に入るわけではないので、のえるくん🤍またはまつく🧡バージョンならばかなり難易度が高い動きです。何も気にせずやったら普通に怪我します。詳しくは本家に楽しみをとっておきましょう。

 

0:59 床技

 両手をお尻より後ろについて、お尻を上げた状態で左右の順に足を蹴り上げるこの動き。名前はあるんでしょうか?7人ともサラッとやり遂げてるけど、これも体の引き上げと絶妙なタイミングによるものなので、側転よりも全然難しいと思います。こういう、本当のすごさが伝わらない、地味にツライ動きがなぜかモダンやコンテには多いんですよね。特にコンテは重力オバケです。そういえば(ここで言うことじゃないけど)、やっぱりジャズのことよく知らないなぁ。ちなみに、0:57のローリング(床に背中をつけて両足をぶん回してるやつ)からの遠心力を上手く使えているのが、さすが💜TravisJapan💜です。

 

1:17 エアジャン(左足から跳ぶ)

 エアプレーンと呼ぶのが正解なのかな?私の育った学校ダンスではエアジャンと呼んでいました。ちなみに、似ているもので背面ジャンプ(通称 ハイジャン)、ターンジャンプ(通称 タンジャン、ジャンプターンと呼んだりもする)がありますが、エアジャンとハイジャンの違いはいまだによくわからないし、私はハイジャンがめっちゃ得意なんですが、エアジャンは正しくできているのかさえわからない。ひとまず、このジャンプで大事なことは、足だけで跳ぼうとしたり、無理に回ろうとしたりしないこと。腕をプロペラのように振り上げて振り回し、上半身は踏み込みで前傾させてから空中では後傾するようにキープ、足はタタッと片足ずつ蹴る感じです。これらのタイミングが合えば、たかーく空中に浮けるし、回転もありながら跳んでるし、両腕の大きさも加わって華やかさが出るダイナミックな技です。これも床ジャン同様、みんながやりたがる流行りの技だと思います。踊りの一部でサラッと決めるのも良いですし、エアジャンだけを取り上げて大技としてバチッと決めるのも良いです。ただ、これも回転と踏み込む利き足があるので左右差は出ます。7人で同じ方向に回ったのはマジで偉いです。(3回目

 

あとは、ここの技たちと並列するには及ばないけど見るべきポイントになりうる動きとして、0:25 スイングと0:57 ローリングがある。スイングは、ただ左腕を振っているようで、実は次の動きの助走としても使える。できれば、「左腕を振る」という形に留めずに、一度お尻を上げて右手に体重を乗せて、左足も一緒にスイングができると良い。(のえ🤍ちゃか❤️げん💙はやっている、お見事)ローリングも、前のターンでの勢いを殺さずに足が回せると、遠心力がさらに高まるので次の謎床技に繋げやすくなる。スイングやローリングなどのような間を埋める動きたちはないがしろにされがちだけど、こういう部分にこそスキルが必要で、やっぱり日頃の基礎練が大切だと気付かされます。

 

 

2.スキル

Monsterのジャンルが何であろうと、この作品を踊る上で重要なのは、大きくまとめると以下の3つである。

 

A 体を床に預ける意識と体を引き上げる意識

 これは「床とお友達になる」という言葉が私的には一番しっくりくる。フロアに入るとき、体が床に反発してしまえば、体は痛いだけである。なので、体重を床に預けることが必要である。また、体を引き上げるときも、ただ上半身、お腹や胸を引き上げていれば良いのではなく、足で床を押す意識が必要である。要するに、上に伸びる意識に加えて、地面にも根っこが生えていくような意識を持ちたい。高く跳び上がるには、その分低くしゃがむ必要があるし、そのためには床をしっかり押さなくてはならない。そうするには、やはり床とお友達になるのが手っ取り早いのである。

 

B 腕の使い方

 これはもしかしたらAの補足的なものなのかもしれない。体を引き上げるとき、腕の振り上げのタイミングがバチッと合うと、非常に引き上げやすい。Monsterに出てくるジャンプなんかは特に、腕の振り上げで跳んでいるようなものである。つまり、ダンスは全身連動運動なのだから、足だけで頑張るのではなく、腕の力も味方にしたい。また、体を床に預けるときも同様で、腕の位置や動きによって、床を感じやすくなる。特に、フロアの動きでは腕のスイング一つでやりやすさが変わってくる。こういう話をすると「腕だけで」踊ろうとする人がいるんだけど、それは絶対にダメ。腕は肩甲骨から動かしていき、あくまでも全身の動きをサポートする存在でありたい。さらに高みを目指すならば、手の表情を研究することで、表現に個性が見えてくると思う。

 

C 重心移動

 ダンスの良し悪しは重心移動の良し悪しである。そのくらい、どのジャンルでも重心移動のスキルは重要。しかし、モダン・コンテではバレエのキレイな軸や形をガンガン崩していくので、重心移動がエグい。バレエならばオンバランス、頭を天井に引っ張って足は地面をとらえているので、軸がまっすぐである。しかし、モダンやコンテはオフバランスが多用される。オフバランスとは、体の軸を中央ではなく、ズラすことでバランスを保っており、軸が斜めになる状態である。オンバランスなら、一点にきちんと乗れれば良い。でも、オフバランスはポーズで止まるというよりも、次の流れにスムーズにいけるようにするためのスキルなので、体重の乗せ方=重心移動が大事になってくる。この重心移動は、おへその位置が鍵になってくるけど、Bで話した腕の存在もかなり大きい。そして、オフバランスはオンバランスができなければできないので、Aの意識も必要になってくる。

 

 

 

③7人それぞれの注目ポイント

この手のダンスは本当にシンクロさせるのが難しいので、TravisJapanを本当に尊敬する。

全体的には良く揃っているが、細かく見ていくと、それぞれの体の使い方は違うし、良いところや魅力も各々である。なので、私的に個々の見てほしいポイントを紹介します。いつも自担さんを目で追っている方々は、ぜひこの機会に、他担さんについても見てみてください!!

※今回は「7人の中で踊るそれぞれの良さ」を書きたかったので、あえてShortsを見る前に書いています。Shortsでも、今回とはまた違った良さがたくさん生まれるかと!!

 

❤️Chaka

なんと言ってもちゃかちゃんはオフバランスがお上手。特に、0:30床ジャン後の立ち上がり、0:53イリュージョン後のパッセバランスは、動きの流れを止めないながらも綺麗な形を作っていて、写真になりそうなのに、軸足はまっすぐでなくオフバランスができていた。ちゃかちゃんのダンスは胴体がわりと板のイメージで動かない印象だけど、関節いくつあるの?!ってくらいに首や手足は動かしまくるのがまじですごい人だと私は思っているので、今回もその良さが前面に出ていた。全てがオススメだけど、あえてピックアップするなら、0:21〜0:23、0:41〜0:47、1:04〜1:10、1:12〜1:17のように、技ではない踊りの部分にちゃかちゃんの上手さが詰まっています。どちらかと言うとストリート向きなんじゃないかと思われがちな気がするけど、足の爪先まで意識が行き届いているので、コンテやジャズもイケます。あと、一つ一つの動きのフォームが美しい。のえるくん🤍とはまた違う美しさがあります。2人の違いとしては、のえるくん🤍の美しさは「余韻」で、ちゃかちゃんの美しさは「形」がしっくりくるかもしれない。今回は何度かセンターズームのカメラワークがあり、ちゃかちゃんは一曲通してずーっと映っているので、全ての動きを追えるのが嬉しいですね。

 

💚Umi

うみんちゅはお顔が小さく手足が長いので、このダンスは踊りづらかったのではないかと予想する。でも、動きがバチっと上手くハマるとき、非常に動きが映えます。0:30床ジャン後の立ち上がりは、雰囲気も相まってうみんちゅ独特の良さが詰まっている。また、0:43の腕回し、0:53イリュージョン後の右腕の軌道、1:02での両腕を上げながらの伸びは、腕の長さが非常に生かされていて、6人よりも一回り大きい印象を受ける。最初の歩き出しが6人より早かったり、0:55のターンの軸足を間違えちゃったりするところは、これはこれでうみくんらしくてかわいくて好きです。1:12からのコンビネーション的な動きの羅列は、最初の動き出しが遅れたせいでそのあと少し遅れ続けるけど、自分の体を上手くコントロールしながら、余裕を持って動けている感じがして良かった。1:17のエアジャンはどちらかというとハイジャンに近いと個人的に思いました。最後に、あえてジャンル分けするならば、うみんちゅのMonsterはモダンが近いと思います。手の指先に感情を込めることができる。夕焼けの歌のときも思ったけど、うみんちゅにはこの手のダンスを今後もたくさん踊ってほしい。

 

💖Shime

しめちゃんは腕の使い方が上手なんだと気づいた。加えて、しめちゃんには柔軟性という武器があるので、肩の使い方も良くて、腕の動きにも良い影響を与えていた。特に、0:43〜0:48の腕の動きは秀逸だし、イリュージョンをはさんだ0:52〜0:55の一連の動きでは上に伸びようとする意識が素晴らしい。もっと細かい話をするなら、1:01で床に寝るための左腕の軌道は100点、1:05からの一連での腕の動きでは肩甲骨をとても上手に使っている。あとは、「あー!これしめちゃんが得意なやつだ」となったのは踊り出しである0:20のところで、両腕の動きと顔の角度がさすがです。そして、武器である柔軟性が生きているところのイチオシは3つ(って3つならイチオシと言えないか笑)。1つ目の0:24の膝カックンで床に入る動きでは、背中も上手に使うことで体のうねりが6人よりも大きくなっている。2つ目は0:57のローリング(床に寝転んで両足を大きくぐるっと回してるやつ)で、他の6人に比べて開脚ができているので両足の軌道が綺麗だし、足のおかげで起き上がりもスムーズである。3つ目はやはり0:53のイリュージョン、左足のつま先が膝を伸ばした状態でちゃんと天井を向いていた。カイトのときは、🤍のえげん💙と比べてジャズよりな印象を受けたけど、今回はコンテっぽかったです。

 

🤍Noel

のえるくんの身体能力は、この手のダンスを踊りきるための能力を上回っていらっしゃるので、動きの全てに余裕があるし、表情からも笑みがあったり歌ってたりしてすごすぎる。0:38から始まる歩きからの動きとか好き。1:07以降とか体力的にキツいところなのに全くそんな感じがしない。たぶん、踊りの中で「この動きはこういう風にして」みたいなことをほぼ無意識でやっているんではないかと。意識にしないでできるほど、動きが体に染み込んでいるのではないかと。なので、動きに余韻を残していながら次の動きに遅れることがない。0:45のフワッとジャンプとか、Monsterの中ではなんてことない動きに分類されがちだけど、こういうところに上手さというかスキルの高さが見えてくる。そして、やはりのえるくんもオフバランスが上手いし、軸の使い分けが圧倒的にお上手。これだからバレエ経験者でオールジャンル踊れちゃう人には頭が上がらない。0:55のターンから床に入るところは、左足が伸びたまま床に入っていて、体の引き上げも素晴らしい。あとは、1:17のエアジャンの後ろ足の蹴り上げもさすがでした。ちゃかちゃん❤️のところでも書いたけど、のえるくんのダンスはいつも美しい。その美しさを余韻にまで残せるのがすごい。もう少し難しそうにやっていいんだよ!そんなわけで、のえるくんは素晴らしすぎるので、ジャズでありモダンでありコンテであることにしておきます。(まとめが雑)

 

💛Shizu

閑也の良いところはとにかく動きに忠実なところ。なんて言うのかな、動きに嘘がない。絶対に誤魔化さない。床ジャンをマスターしたい人は、ぜひ閑也の床ジャンを見て研究してほしい。そうすればきっとできるようになります。それから、上体を落とすのが誰よりも上手だし速い。動きの説明が難しいので秒数で指定すると、0:22とか0:40とか、本当に一瞬なんだけど、股関節・膝・足首の使い方とタイミングが私には理解できないほどよろしくて、高かった閑也の頭が一気に下がっている。あとは、地面の踏み締めが素晴らしい。こちらも秒数で指定すると、0:34、0:41、0:43あたりかな。足に迷いがなく、一度踏んだ足がブレないので、上体の動きにも力を込めやすい。そのおかげなのかな、Monsterで閑也は動きの中での感情の込め方が素敵だった。そして、Monsterという曲が好きだと何かで言っていた気がするけど、その好きな想いが踊りからもひしひしと伝わってくる。閑也はジャズよりだと思います。こういうダンスはどうしてもキレイさとか美しさが勝ってしまうし、踊り方もどちらかというと女性らしいダンスになってくるけど、閑也は男臭さを消さずに踊っていたのがとてもグッときました。普通にカッコいい。恋です。

 

💙Genta

元太はときたま天才的な音楽遅取りをすると私は思っていて、Monsterはその遅取り祭りなので最高です。お時間のある方はぜひ0.75倍速にしてみてください、1人遅れているのがよくわかると思います。この音の取り方は元太の感性だと思うので、マネしようと思って真似できるものではありません。たぶん元太にしか聞こえない音やリズムがあるはず。私が元太のダンスが好きな理由はここにあると最近よく思う。動きで拾う音が人より遅いので、その分一つ一つの動きに伸びと余裕がある。この神ダンスの元太を特に拝めるのが、0:20〜0:24、1:12〜1:17です。上手すぎてやばすぎて言葉にできない。映ってないけど、1:07〜1:12も絶対に天才的に上手いはず。足上げたり、開脚したりの柔軟性はあんまりなさそうだけど、上半身、膝や足首などの関節の使い方は秀逸。あとはサッカーで鍛え上げられたものなのか、足さばきと重心移動に長けている。オフバランスもガンガン魅せてくるし、動きに重力を感じない。基本的に遅取りな中でも、側転とかジャンプとかではシャっ!と一気に技を見せてくるので、一連の踊りの中でメリハリがよく見える上に、流れを止めずにそれをやってのけてしまうので本当にコンテ向きだと思う。極めつけは、1:17のエアジャンで浮遊感が素晴らしい、拍手喝采です。

 

🧡Matsuku

まつくもしめちゃん💖に並んで腕の使い方が上手でした。加えて、足が非常に強いので、コンテに向いていると勝手に思って私は生きてます。特に、重心の低さを求められるところでは、股関節の柔らかさも相まって、かなり低い位置にブレずに体を持っていける。あとは、元太💙とは体の使い方は違うんだけど、まつくも重心移動が上手。0:26のフロアでの移動は、まつくのポジションは右端だから大変だったはずだけど、誰よりもフロアで位置移動ができている。0::30の床ジャン、みんなも床ジャンは上手だけども、まつくは重心移動の上手さのおかげで、左肩に乗るのが速く、右足は空中で膝を伸ばせている。0:49の側転は、足の蹴り上げもあるけど、側転も結局は重心移動だから、素早くて足がよく開いていて、とてもキレイである。そして、0:59の名前のわからない床技では、左腕も回してから床につけていて、つまり最初は右腕にだけ重心を乗せていたことになるので、何度も見返してしまった。ちなみにちゃかちゃん❤️も左腕を回していたことに気づいた。1番作品に入り込んでいるのはまつくでした。手足の長さを生かしたまつく特有の動きがたくさん見られて良かった。

 

 

 

④私が踊る場合

こんなに動画を見まくって、7人の動きを追いかけまくっていれば、なんとなく振りの順番は頭に入ってきている。今まで踊ってきたジャンルでもあるので、ストリート系の作品と比べたら、動きの流れから次の動きもなんとなく予想がしやすいし、じゃあ踊ってみよう!ってなるはず。しかし、これを踊るには重心移動が必要なので、広い空間が必要である。年が明けたらスタジオで挑戦したいと思います。(小声

モダンを踊る人にしては柔軟性に欠ける私は、足上げとかバランスとかは苦手だったけど、ターンやジャンプは得意でした。あと、床とはお友達でした。あくまでも現役時代の話ですが。

しかし、ターンもジャンプも左右差が酷かった。天才的に上手にできるはずの技も、左右が違えばとんでもなく下手くそ、なんてことは日常茶飯事でした。なので、②の1でピックアップしたものたちも、「反対ならできるのに!(現役時代の話ですが)」というものが多数です。詳しく見ていきましょう。

まず、第一関門は0:30の床ジャン。先ほども申したように苦手な上に、右の方がかろうじてマシだったので左は壊滅的です。はい。

続いて、0:49の側転。左もできないことはないんだけど、圧倒的に右が得意だし、作品で使ったことがあるのもずっと右でした。こんなに速く回れる自信はありません。足を誤魔化したいと思います。

最後に、1:17のエアジャン。これも私は右足から跳ぶのが得意なんです。右足からならば、めちゃくちゃ上手な自信あります。なんで逆なんだ…。

つまり、私は右スタートの左足蹴り上げが得意なんです。なので、かろうじて、0:53のイリュージョンだけは得意な方だった!本当は、作品全体の技の得意不得意を優先するなら、Monsterのイリュージョンは左足軸にするべきだったはず。踊りの流れでたまたま右足軸になったのは奇跡に近いのでは?

 

要するに、私がこの作品を踊るならば、

床ジャン 右手が軸

側転 右

イリュージョン 右足が軸

エアジャン 右足から跳ぶ

が望ましいということです。4分の3が本家と逆でした。

 

良い機会なので、体の左右差を減らすためにも、苦手側を練習して克服したいと思います。2022年の目標はこれにしよう!

 

 

 

⑤総評

すごいの一言で終わらせない。そのためだけに、現役時代ばりに分析(?!)して言語化したけど、非常に疲れました。現時点で13000字を超えているので当たり前ですね。

やっぱりダンスは語るより踊った方が早いというのが個人的な意見です。ここまで書いたクセに(笑)

ただ、このMonsterは私が踊ったところで本当のすごさを伝えられないので、どうにかしてでも、TravisJapanの「難しいことを簡単にやっているように見せるすごさ」について言語化してみたかった。説明し切れた自信はないけど、踊る上で必要なこととか大事なことを少し思い出せた気がするので、今後の自分のダンスに生かしたいと思います。本当はこういう作業をいろんなジャンルでやるのが必要で、これができると自分の踊りも上達するし、人に教えるときも教えやすいだろうな、とは思う。まだまだ勉強しなくてはならないことがたくさんあるようです。

あ!もしもこのブログを読んでくださった方々の中で、「Monsterを踊りたい!」という人がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。一緒にスタジオを借りましょう。もう既に「踊ってみたよ!」という人も、ぜひご連絡ください。踊る上でのコツを教えていただきたいです。そんなこんなできっと12/27の昼にはShortsが上がるはず。また新しい発見がありそうで楽しみです。

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

トラジャのブログとダンスのブログ、そろそろ分けた方が良いかもしれないな…と、なんとなく思うのでした。